

第12話:僕の東京ライフ
初詣の日から、3週間が経ちました。
エイダンさんとマユさんは、恋人として、一緒に時間を過ごすようになりました。
週末には、一緒に映画を見に行ったり、新しいレストランを試したり、公園を散歩したりしました。
平日も、仕事が終わってから、メッセージを交換しました。
「今日もお疲れ様。」
「お疲れ様。今日は、どうだった?」
そんな、何気ないやり取りが、エイダンさんの毎日を温かくしました。
ある土曜日の午後。
エイダンさんは、マユさんと一緒に、お台場に行きました。
海沿いの遊歩道を、二人で歩きました。冬の海風は冷たいけれど、マユさんと一緒なら、心は温かいです。
「エイダン、東京に来てから、もう9ヶ月だね。」
「うん。本当に、あっという間だった。」
「最初の頃のこと、覚えてる?」
「もちろん。ゴミの捨て方が分からなくて、困っていたら、鈴木さんが助けてくれた。」
「鈴木さんは、優しい人だね。」
「うん。それから、会社で『お疲れ様です』という言葉を、一日中聞いて、混乱した。」
マユさんが笑いました。
「でも、今は、ちゃんと使えるようになったね。」
「田中さんが、丁寧に教えてくれた。田中さんには、いつも助けてもらってるし、とても仲良くなった。」
二人は、ベンチに座りました。
「スーパーで、醤油の種類が多くてびっくりしたことも、覚えてる。」
「そっか。外国のスーパーって、自分の国のスーパーと違ってて、おもしろいよね。」
「うん。初めての飲み会も、緊張したけど、楽しかった。『お酌』の文化を知った。」
マユさんは、エイダンさんの目を見ました。
「そして、あのカフェで、私と出会ったね。」
「うん。あの日のことは、忘れられない。」
エイダンさんも、マユさんの目を見ました。
「マユと美術館に行った日、京都に行った日、天ぷらを食べた日、初詣に行った日。全部、大切な思い出だよ。」
「私も、エイダンと過ごした時間は、全部、大切な思い出。」
二人は、しばらく黙って、海を見ていました。
「エイダン、これからも、ずっと東京にいる?」
マユさんが聞きました。
エイダンさんは、少し考えてから答えました。
「会社の契約は、あと3年ある。だから、少なくとも3年は、東京にいる。」
「そうなんだ。」
「でも、3年後のことは、まだ分からない。アメリカに帰るかもしれないし、日本に残るかもしれない。マユは、どう?これからもずっと日本で暮らしたい?」
「うーん、考えたことなかったなあ。仕事次第かも。」
二人は、また黙りました。
そして、エイダンさんが言いました。
「でも、一つだけ、確かなことがある。」
「何?」
「どこにいても、マユと一緒にいたい。」
マユさんは、驚いた顔をしました。そして、ゆっくりと、でもはっきりと言いました。
「私も、エイダンと一緒にいたい。」
二人は、しっかりと手をつなぎました。
夜、アパートに帰ってから、エイダンさんは、アメリカの家族にメッセージを送りました。
「みんな、元気?僕は、東京での生活を、本当に楽しんでいるよ。実は、大切な人ができたんだ。彼女の名前は、マユ。とても優しくて、素敵な人だよ。いつか、紹介したいな。」
しばらくして、父から返信が来ました。
「それは良かった! エイダンが幸せに過ごしているなら、私たちも安心だ。健康と成功を祈っているよ。」
母からも、返信が来ました。
「素敵ね!いつか会いたいわ。写真を送ってね。お父さんと私も、日本に行ってみたいと思っているの。」
弟からも、返信が来ました。
「兄さん、おめでとう!僕は、今年の夏、東京に遊びに行くから、二人に会うのを楽しみにしてるよ。」
エイダンさんは、とても幸せな気持ちになりました。そして、家族とマユさんと自分が、楽しくバーベキューをしているところを想像したりしました。
9か月前、エイダンさんは東京に来ました。この街でエイダンさんは成長し、大切な人と出会いました。
「東京に来て、本当に良かった。この街はもう、僕の街だ。」
エイダンさんは、心からそう思いました。
これから、どうなるか分かりません。
3年後は、アメリカに帰るかもしれません。
でも、それは、まだ先のことです。
今は、この街で、マユさんと一緒に、毎日を大切に過ごしたい。
そう、エイダンさんは思いました。
「明日も、いい日になりますように。」
エイダンさんの東京ライフは、これからも続きます。
Hiragana Version
はつもうでのひから、3しゅうかんがたちました。
エイダンさんとマユさんは、こいびととして、いっしょにじかんをすごすようになりました。
しゅうまつには、いっしょにえいがをみにいったり、あたらしいレストランをためしたり、こうえんをさんぽしたりしました。
へいじつも、しごとがおわってから、メッセージをこうかんしました。
「きょうもおつかれさま。」
「おつかれさま。きょうは、どうだった?」
そんな、なにげないやりとりが、エイダンさんのまいにちをあたたかくしました。
あるどようびのごご。
エイダンさんは、マユさんといっしょに、おだいばにいきました。
うみぞいのゆうほどうを、ふたりであるきました。ふゆのうみかぜはつめたいけれど、マユさんといっしょなら、こころはあたたかいです。
「エイダン、とうきょうにきてから、もう9かげつだね。」
「うん。ほんとうに、あっというまだった。」
「さいしょのころのこと、おぼえてる?」
「もちろん。ゴミのすてかたがわからなくて、こまっていたら、すずきさんがたすけてくれた。」
「すずきさんは、やさしいひとだね。」
「うん。それから、かいしゃで『おつかれさまです』ということばを、いちにちじゅうきいて、こんらんした。」
マユさんがわらいました。
「でも、いまは、ちゃんとつかえるようになったね。」
「たなかさんが、ていねいにおしえてくれた。たなかさんには、いつもたすけてもらってるし、とてもなかよくなった。」
ふたりは、ベンチにすわりました。
「スーパーで、しょうゆのしゅるいがおおくてびっくりしたことも、おぼえてる。」
「そっか。がいこくのスーパーって、じぶんのくにのスーパーとちがってて、おもしろいよね。」
「うん。はじめてののみかいも、きんちょうしたけど、たのしかった。『おしゃく』のぶんかをしった。」
マユさんは、エイダンさんのめをみました。
「そして、あのカフェで、わたしとであったね。」
「うん。あのひのことは、わすれられない。」
エイダンさんも、マユさんのめをみました。
「マユとびじゅつかんにいったひ、きょうとにいったひ、てんぷらをたべたひ、はつもうでにいったひ。ぜんぶ、たいせつなおもいでだよ。」
「わたしも、エイダンとすごしたじかんは、ぜんぶ、たいせつなおもいで。」
ふたりは、しばらくだまって、うみをみていました。
「エイダン、これからも、ずっととうきょうにいる?」
マユさんがききました。
エイダンさんは、すこしかんがえてからこたえました。
「かいしゃのけいやくは、あと3ねんある。だから、すくなくとも3ねんは、とうきょうにいる。」
「そうなんだ。」
「でも、3ねんごのことは、まだわからない。アメリカにかえるかもしれないし、にほんにのこるかもしれない。マユは、どう?これからもずっとにほんでくらしたい?」
「うーん、かんがえたことなかったなあ。しごとしだいかも。」
ふたりは、まただまりました。
そして、エイダンさんがいいました。
「でも、ひとつだけ、たしかなことがある。」
「なに?」
「どこにいても、マユといっしょにいたい。」
マユさんは、おどろいたかおをしました。そして、ゆっくりと、でもはっきりといいました。
「わたしも、エイダンといっしょにいたい。」
ふたりは、しっかりとてをつなぎました。
よる、アパートにかえってから、エイダンさんは、アメリカのかぞくにメッセージをおくりました。
「みんな、げんき?ぼくは、とうきょうでのせいかつを、ほんとうにたのしんでいるよ。じつは、たいせつなひとができたんだ。かのじょのなまえは、マユ。とてもやさしくて、すてきなひとだよ。いつか、しょうかいしたいな。」
しばらくして、ちちからへんしんがきました。
「それはよかった! エイダンがしあわせにすごしているなら、わたしたちもあんしんだ。けんこうとせいこうをいのっているよ。」
ははからも、へんしんがきました。
「すてきね!いつかあいたいわ。しゃしんをおくってね。おとうさんとわたしも、にほんにいってみたいとおもっているの。」
おとうとからも、へんしんがきました。
「あにさん、おめでとう!ぼくは、ことしのなつ、とうきょうにあそびにいくから、ふたりにあうのをたのしみにしてるよ。」
エイダンさんは、とてもしあわせなきもちになりました。そして、かぞくとマユさんとじぶんが、たのしくバーベキューをしているところをそうぞうしたりしました。
9かげつまえ、エイダンさんはとうきょうにきました。このまちでエイダンさんはせいちょうし、たいせつなひととであいました。
「とうきょうにきて、ほんとうによかった。このまちはもう、ぼくのまちだ。」
エイダンさんは、こころからそうおもいました。
これから、どうなるかわかりません。
3ねんごは、アメリカにかえるかもしれません。
でも、それは、まださきのことです。
いまは、このまちで、マユさんといっしょに、まいにちをたいせつにすごしたい。
そう、エイダンさんはおもいました。
「あしたも、いいひになりますように。」
エイダンさんのとうきょうライフは、これからもつづきます。
English Translation
Three weeks have passed since New Year's Day.
Aidan and Mayu began spending time together as a couple.
On weekends, they went to movies together, tried new restaurants, and walked in parks.
Even on weekdays, they exchanged messages after work.
"Good work today."
"Good work. How was your day?"
These casual exchanges warmed Aidan's everyday life.
One Saturday afternoon.
Aidan went to Odaiba with Mayu.
They walked together along the seaside promenade. The winter sea breeze was cold, but with Mayu, his heart was warm.
"Aidan, it's been nine months since you came to Tokyo."
"Yeah. It really went by so fast."
"Do you remember the early days?"
"Of course. When I didn't know how to throw away garbage and was in trouble, Mr. Suzuki helped me."
"Mr. Suzuki is a kind person."
"Yeah. And then at the office, I heard the words 'Otsukare-sama desu' all day and got confused."
Mayu laughed.
"But now you can use it properly."
"Mr. Tanaka taught me carefully. He's always helping me, and we've become very good friends."
The two sat down on a bench.
"I also remember being surprised at how many types of soy sauce there were at the supermarket."
"I see. Foreign supermarkets are different from the ones in your own country, and it's interesting, isn't it?"
"Yeah. My first nomikai was nerve-wracking, but it was fun. I learned about the culture of 'oshaku.'"
Mayu looked into Aidan's eyes.
"And then we met at that café."
"Yeah. I can't forget that day."
Aidan also looked into Mayu's eyes.
"The day I went to the art museum with Mayu, the day I went to Kyoto, the day I ate tempura, the day I went to hatsumode. They're all precious memories."
"For me too, all the time I spent with Aidan is a precious memory."
The two were silent for a while, looking at the sea.
"Aidan, will you stay in Tokyo forever?"
Mayu asked.
Aidan thought for a moment before answering.
"My company contract is for another three years. So I'll be in Tokyo for at least three years."
"I see."
"But I don't know about after three years. I might go back to America, or I might stay in Japan. What about you, Mayu? Do you want to keep living in Japan?"
"Hmm, I've never thought about it. Maybe it depends on work."
The two were silent again.
Then Aidan said.
"But there's one thing I'm sure of."
"What?"
"Wherever I am, I want to be with Mayu."
Mayu looked surprised. Then, slowly but clearly, she said.
"I want to be with Aidan too."
The two held hands tightly.
At night, after returning to his apartment, Aidan sent a message to his family in America.
"Hey everyone, how are you? I'm really enjoying life in Tokyo. Actually, I met someone special. Her name is Mayu. She's very kind and wonderful. I'd like to introduce her to you someday."
After a while, his father replied.
"That's great! If Aidan is living happily, we're relieved too. We're praying for your health and success."
His mother also replied.
"How wonderful! I'd love to meet her someday. Please send us photos. Your father and I would also like to visit Japan."
His younger brother also replied.
"Congratulations, bro! I'm coming to Tokyo this summer, and I'm looking forward to meeting you both."
Aidan felt very happy. He imagined himself, his family, and Mayu enjoying a barbecue together.
Nine months ago, Aidan came to Tokyo. In this city, Aidan grew and met someone special.
"I'm really glad I came to Tokyo. This city is now my city."
Aidan thought so from the bottom of his heart.
He doesn't know what will happen in the future.
In three years, he might return to America.
But that's still a long way off.
For now, in this city, with Mayu, he wants to cherish each day.
That's what Aidan thought.
"I hope tomorrow will be a good day too."
Aidan's Tokyo Life continues.

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